2022-01-01から1年間の記事一覧

「行うままにさせよ」黙示録22:11

主よ、あなたが始末をつけてくださる。それはこの世界も、あの人の歩みにも、そしてこの私の命もです。そうです、あなたがご支配なさる領分にまで手出しをし、そうして一喜一憂している私共に、あなたは御前に静まることを命じておられます。主よ、この手を…

「主にあって死ぬ死人はさいわいである」黙示録14:13

主よ、この命が完成する時、それは私が死ぬ時。しかも、幸いであると。人の思いに反することを、あなたはお語りになります。主よ、私共の命をあなたは私共から取り上げなさる。 それを滅びとしか受け取れない私共の傍らで、あなたご自身も十字架に挙げられて…

「知らないかた」ヨハネによる福音書1:19~28

主よ、あなたはご自身を隠される方です。それは、私共が「知っているつもり」になる過ちに陥ることをよくよくご存知でいらっしゃる故です。主よ、何度となく祝うクリスマス、勝手知ったるクリスマスのように思う私共の傲慢を砕いて下さい。隠された御心、私…

「めぐみにめぐみを」ヨハネによる福音書1:14~18

無から有を生み出し給う主よ、あなたは、何も分かっていない者に敢えてその恵みを注がれます。それは、ただ恵みゆえです。それが無碍にされることさえ厭わず、あなたは今日も恵みを注いでいてくださいます。主よ、その御心に全く鈍い者です。いつまでも気づ…

ソビエト帝国の崩壊~瀕死のクマが世界であがく~ (光文社未来ライブラリー) 作者:小室 直樹 光文社 Amazon 小室直樹『ソビエト帝国の崩壊』を10年以上ぶりに再読。文庫で再刊されていたため。ソ連崩壊を社会科学的に予測した名著と謳われているけれども、そ…

「初めに言があった」ヨハネによる福音書1:1~14

主よ、あなたという言を前に、語りかけを前に、私共は言葉が多すぎるのです。あるいは少なすぎるのです。様々な言葉を口にしながら、あなたとも、隣人とも、そして自分自身とのコミュニケーションにも信頼していないのです。 そのような中で、あなたが最初の…

「わたしの魂は主をあがめ」ルカによる福音書1:39~56

主よ、実り無き、そして罪のみ積もる私の内に、あなたが宿るとはどういうことでしょうか。あなたを生み出すのに相応しくない、まるで似つかわしく無いものを選ばれる主よ、ここを目指して、あなたが来られたことの深みを悟り得ない私ですが、しかしそれゆえ…

「恵まれた女よ」ルカによる福音書1:26~38

主よ、あなたの御言葉を聴きながら、その前に留まることも、思い巡らすこともなく走り抜けていくような私の日々です。だからこそ、あなたがその御言葉をもって私を捉えて下さい。御言葉にむしろ躓き、その前に留まらざるを得ないようにしてください。あなた…

「非常な喜び」マタイによる福音書2:1~23

主よ、あなたから頂く喜びは、私の悲しみにまで染み透る。十字架を経た慰めだけが、私共のどんな嘆きや諦めも癒やしてくださいます。まさに常ならぬ喜びが、この悲しみから始まっていくことを教え、味わわせて下さい。 主イエスの御名によって祈り願います。…

「神われらと共に」マタイによる福音書1:18~25

主よ、神の言が沈黙の中に、言葉を失った赤子として生まれ給うたあなたの秘儀に、この私を留まらせて下さい。言葉に言葉を重ね、そうして対話を壊し、自らの内側をも貧しくしていく私共の内に、主よ、あなたが来てください。十字架で御父の沈黙を全身で受け…

「イエスがお生れになった」マタイによる福音書1:1~17

主よ、偶然のようにして生まれ、様々なことに翻弄されて生き、そして死んでいく私共です。何の意味があるのかとの思いが募る時、この私の人生もまた、キリストを目指すあなたの御意志に貫かれていることを覚えて感謝いたします。主よ、あなたの来たり給うを…

「主の腕はだれにあらわれたか」イザヤ書52:13~53:5

主よ、クリスマスの喜びの源を、別のものに取り替えようとする私共がおります。主の悲しみ、私共の罪とこの世をご覧になっての悲しみを、別のものに挿げ替えてしまう私共の企てを砕いて、あなたの悲しみの理由を味わい知る者とさせて下さい。そして、あなた…

「インマヌエル」イザヤ書7:1~17

主よ、あなたを慕い求める渇望、それもあなたの聖霊が無ければ、私共は何も気づかないまま、自らに滅びを招く他ありません。主よ、あなたが居まし給う処、それは、あなたを乞い求める祈りのあるところです。主よ、あなたの霊を私共に送り、この無を抱える私…

「断じてそうではない」ローマ3:1~8

主よ、あなたのその断固たる言葉、断言こそが、言い訳がましい私への福音です。私が重ねる理屈に対して、「断じてそうではない」とあなたは一切を拒絶なさり、唯一のこと、主イエスの十字架だけを打ち立てて下さいます。主よ、そのあなたが示して下さる唯一…

「ほまれは神から」ローマ2:17〜29

主よ、人には見られようとし、あなたからは隠れようとする私です。しかし、あなたは本当の「隠れた」キリスト者を求めておられる。私共も知らない、自分でも知らない、知っていても気づかないふりをしている、あの陰の部分に隠してきたもの。そこで、あなた…

「なすに任せられた」ローマ1:24〜32

主よ、あなたの怒りと裁きは、人間の、私共の「自由」の醜さを私共に思い知らせます。自ら欲するところをなし、それが自分自身への裁きとなる。そのように「なすがまま」にされるあなたの御心は、主イエスのご受難にはっきりと示されています。私共のなすが…

「神の怒り」ローマ1:18〜23

主よ、私共に注がれるべきあなたの怒り、罪の全てを焼き尽くすあなたの審判の怒りのほとばしりを、私共は十字架に見ているでしょうか。遠巻きに眺め、見物し、「おかわいそうに」と同情を寄せるような心境にこそなっても、我がこととして主イエスの十字架の…

「神の義」ローマ1:17

主よ、義なるものが創造的なものとは思えない私がおります。むしろ邪悪なものを切り捨てることで打ち立てられる、峻厳なものとして、義なるものを理解しているのです。 しかし、あなたの義は、この罪人を切って捨てることでそびえ立つものでなく、むしろこの…

「福音を恥としない」ローマ1:16〜17

主よ、この誇らしげなパウロの姿に、優しさを見いだすことなど、人の眼差しでは出来るはずもありません。そうです、これは「福音」の優しさです。御子の福音、主イエスご自身の優しさ、ご自身を極みまで与え尽くす、激しい優しさです。そのあなたの優しさの…

「神の福音」ローマ1:1〜7

主よ、孤独や分裂が深まるからこそ、私共は絆を求めます。しかしそのようにして、却って私共は分かりあえない惨めさを思い知らされます。主よ、この信仰はキリスト、あなたご自身であることを再び語られました。あなたが私共を贖い、あなたが私共を一つにし…

「キリスト・イエスの僕」ローマ1:1〜7

主よ、解き放って下さい。私を、私自身から。自分で自分を討ち滅ぼすことなど、人には出来ないからです。そして、そこであなただけに全てを握られることの解放を教えて下さい。そうです、私はただあなただけを見つめ、あなただけを畏れ、あなただけに従えば…

「わたしはまことに卑しい者です」ヨブ記38:1~7、40:1~5

天の広大さを示されても、私共の心の奥底にある問いは、なお疼き続けます。主よ、生けるあなたと出会うこと無しには、私共が虚しい問いを重ねるばかりです。主よ、あなたこそが私共に沈黙を与えて下さる。黙ることを教えて下さる。あなたの十字架の御姿をい…

「むなしい事」ヨブ記21:22~26、34

主よ、常に虚しい思いに駆られる私共です。地上を生きる虚しさ、信仰を生きる虚しさ、そしてその虚しさを抱きしめる自分に甘えるのです。 主よ、あなたは私共がどこか甘く見ようとする人の虚しさの真相を知っておられます。そして、その奥底にまで御手を伸ば…

身体・人生の履歴

ブルデュー『ディスタンクシオン』 2020年12月 (NHK100分de名著) 作者:岸 政彦 NHK出版 Amazon 生まれ育った環境や家族や学校、広く言えば自分が生きてきた人生で経験する、様々なことが自分という人間を外側から規定し、拘束し、形成する。 その事実を、理…

「わたしをあがなう者は生きておられる」ヨブ記19:21~27

主よ、あなたが生きておられるから、あなたを食し、あなたの血に与る私共も生かされるのです。私共は常に死に向かう者に過ぎません。塵に帰る者です。その私共を贖い、ご自分のものとするとご決意なさるあなた故に、私共も生きることが許されております。 主…

「神に向かって涙を注ぐ」ヨブ記16:18~17:3

主よ、あなたのご真実に触れました。敵なる神、いいえ、あなたの敵であり続ける私共に、私共が涙を流して懇願するより遥かに先に、あなたご自身が涙を流し、そして御血を注いでおられます。聖であり義であられるあなたからご覧になれば、最も憎むべき、忌み…

「わたしの道」ヨブ記13:13~28

主よ、私共が不動なのではありません。あなたの言葉を聴いて、むしろそれにたじろぎ、後ずさりしてばかりの私共です。「これが道だ、これに進め」と言われ、却って逃げ出す私共であることを、あなたが誰よりもご存知です。だからこそ、あなたご自身が「わた…

「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます」ルカ23:44〜49

主よ、私共は苦しみを恐れます。痛みを恐れます。それゆえ、あなたの十字架を恐れます。しかし、あなたはそこで御父からの平安を頂いて安んじておられた。あなたも確かに苦しまれた。痛みを恐れられた。けれども、それよりも何よりも、御父の御心を受け取っ…

「信仰による義人は生きる」ローマ1:17

主よ、私は何によって生きているでしょうか。信仰によって生きると称えつつ、その実、自分の足に依って立とうとし、自分自身で生きようとし、パンのみを食べることで死を招いている者です。生きるとはこの程度のことだと悟ったように、死を生きているのです…

「泣くがよい」ルカ23:26〜31

主よ、自己憐憫でなく、ただの後悔でもなく、悔い改めの涙を私共にもお与え下さい。あなたの御苦しみを見つめること無くして、この無を抱えた私共からその思いが出てくることはありません。主よ、自分の願いばかり見つめようとする私共を、あなたが振り返ら…