呻きの共同体。その只中に、あなたの十字架が立ち給う。主よ、そのあなたの呻きに耳を塞ぐ私共です。そうして、隣人と自らの呻きにも耳を塞ぐ私共です。この私共がバラバラであり続けるゆえんは、ここにかかっていると思わされます。 主よ、このような私共を…

主よ、自らの腹の中には無い祈りを、あなたが授けてくださいます。「アバ、父よ」とあなたを呼びまつる者へと、あなたの子と、あなたのものと、私をしてくださいます。主イエスの十字架のゆえです。この一本の道が、自由への道だとあなたが示し続けて下さっ…

主よ、あれもこれもと抱え込み、そうして何一つ残らないような歩みを続けております。自分の欲しているものが何なのか分からないのです。主よ、そのような者に、あなたは命の道、霊の道を示してくださいました。私が選び取るのではありません。あなたが授け…

主よ、自分のことは自分で分かっているなどと思い込む私が、最も自分のことを分かっておりません。そして、この分裂を自分で統一出来るものだとも思い込んでいるのです。御しがたい自分というこの存在を、十字架だけが一つにし、贖って下さいます。主よ、そ…

主よ、正しさを手放せず、自分のやり方を手放せない私です。そのようにして、自分で自分を正しいものとしたがる私がおります。善を手中に収めたいという欲望、この甚だしい悪性を放つものが私の中から消えたことが無いのです。 主よ、しかし希望があると語ら…

主よ、私共はいつまでも踏ん切りがつかないでおります。信じると言いつつ、信じきれない私共がおり、従うと言いつつ、従い切れない私共がおります。その私共の前に、あなたのご決断が置かれました。十字架という決断。それさえも通り過ぎようとする私共の内…

主よ、あなたの御身に起こったことを、この私の身にも起こることだと認めること。それは有り得ないことだと反発したがる私がいるのです。そうです、あなたの差し出す恵みを、「有り得ない！」と否定したがる私がいるのです。十字架の恵み、その贖い。その有…

主よ、何に対しても臆病になり、あなたに対しても腰が引ける私です。そのようにして、罪を犯さないことで何かが守れると錯覚しているのです。あなたの赦しの中でこそ息が出来ることを忘れているのです。主よ、ただあなたの内に生かして下さい。この罪を超え…

主よ、私もまた分裂しています。あなたに付けられた者であるのに、古き自分を引きずっているのです。いいえ、その古き自分が、あなたにあるはずの私を振りまわし、我が物顔をしているのです。主よ、だからこそ、あなたが十字架に付いて下さいました。自分が…

主よ、私共がいかに見当違いをしているか。あなたを喜ばせることを願い、実際そのように真実に願いつつ、その実、自分の願いのままにあなたの心を動かそうと企てる私共です。しかし、そこに私共の喜びが無いことをあなたは今日、突きつけておられます。そう…

主よ、あなたの御足の跡を踏んでいくこと。その中で、私共はあなたがどのような歩幅で、どこを歩まれたかを知ります。あなたの道行きを辿ります。主よ、そのようにして私共はあなたを追いかけて行きます。 しかし同時に、それはあなたが私共の歩みを踏み直し…

主よ、ただ信じる。それがどれほど不確かで、また手応えの無いことかと思います。そうです、信じるということも自分が為しうる何事かだと思っているのです。そのような私に、そうした一切を取り去るようにして、ただ信じる・信仰のみということをあなたはも…

主よ、義そのものであられるはずのあなたが、そのご自身を分かつようにして、私共罪人と共に義であろうとなさる、そのようなことを初めて聴きました。天から降って私共罪人と共におられ、十字架によってこの罪を担ってくださった。そのように定式化したがる…

主よ、あなたの恵みすら、どこかで購買関係で考えている私がおりました。これだけのことをしたのだから…などと。けれども、あなたは既に私共の虚しい企てに先んじて、値の付けられないものを捧げて下さっておりました。 主よ、私共が何とかその値を支払い、…

主よ、過ぎていく時間をかき集めるようにして今日を過ごして参りました。その中で、この御言葉の説き明かしを聴きました。主よ、この人生もまた、私のものと思い、そのようにして却って、自分のものになし得ない私共がおります。そのような私共に、あなたは…